広告 車が水没しちゃったら

扇状降水帯による集中豪雨は怖い、水深30cmで車はすぐに浸水する

9月に入り、各地で扇状降水帯の発生による集中豪雨が続いてますね。

東京都西部地区の集中豪雨、三重県四日市市の集中豪雨、こちらは地下駐車場で多くの車が被災しました。そして高台なのに集中豪雨で冠水した静岡空港の駐車場。他にも九州から東北地方にかけて、扇状降水帯による集中豪雨による被害が今年は異様に増えている気がします。

これまで私もゲリラ豪雨による冠水で、自分の愛車(ポルシェ987ボクスター)を自宅駐車場でフロア浸水させ、大幅な修理を行った経験があり、当ブログでもその経緯についてご紹介してきましたが、皆さんもご自身の愛車を、いつ、どんな場所で、集中豪雨に遭って車を浸水させても不思議でないくらいに、日本の気候が変わってきたことを実感されてきていると思います。

今日の記事では、東京都の集中豪雨と同時間帯に起きた神奈川県の集中豪雨により、また自宅駐車場で愛車を浸水しかけた実態を元に、車の車高と車内に水が浸入してくる水深について、それから簡単に保険について見て行くことにします。

ボクスターをフロア浸水させたときの記録

結構、重症だったりして・・・・・_a0042970_2241681.jpg

詳しくは、下記のカテゴリーにまとめてありますが

車が水没しちゃったら

簡単に事の経緯を振り返っておきます。

とある年の8月某日、夕方にゲリラ豪雨が30分くらい降りました。まだ今ほど扇状降水帯等の言葉も無く、今ほど日本各地に冠水の被害も無かった頃でしたし、台風のように長時間の豪雨ではなかったので、特段気にすることなく、次の日のツーリングに行く準備をしていたところでした。

しかしながら、次の朝車を出そうと、駐車場に行ってみると

初のエマージャンシーサービス・・・・_a0042970_23473829.jpg

なぜか、窓が数センチ開いている。

初のエマージャンシーサービス・・・・_a0042970_23485120.jpg

そして、なぜかリアスポイラーが上がった状態に・・・。前回乗った後は、こんな状態ではなかったはずなのに

初のエマージャンシーサービス・・・・_a0042970_2350407.jpg

おまけに、鍵を挿してエンジン始動しようとしても、ウンともスンとも言わず。そして鍵を抜こうとも抜けなくなる始末。次の日はツーリングを諦め、積載車を呼んでディーラーに。ディーラーでいろいろ調べてもらったら、どうも車が浸水してた形跡があるとのこと。

自分では、車を無理矢理大雨の中で走らせた記憶は無いし、幌車ではよくありそうな幌の継ぎ目からの雨漏りもこのボクスターではありませんでした。

「さては、昨日のゲリラ豪雨で駐車場が冠水したのか?」と、今一度駐車場を見てみると、どうも水が浸入した跡が付いている。もう水の浸入によるフロア浸水で確定です。ということで、ここから数ヶ月にわたる修理の道が始まっていくことになったのです。

数日後、保険会社の調査員の方に、実況見分してもらったところ、入り込んだ雨水は水深30cm近くに達した模様。

ちなみに、987ボクスターの最低地上高は120mm。30cmの雨水が入り込んで、しばらく浸かったままになっていたのですから、そりゃあ車内に水が入りますよね。

ボクスターは、車体下部にこのメインハーネスを通してあるのですが、雨水が車内まで入っているので、もちろんこのメインハーネスも水に浸かったのです。ボクスターのバッテリーはある程度高い位置に設置してあるのですが、このメインハーネスがやられたことで、エンジン動かず、電装系すべてがダウンしたのです。

全国200社の工場が対応【輸入車修理専門店/buv.LABO】即日入庫可能【見積もり・電話相談無料】

扇状降水帯に入ったときの雨水の勢いはバカにできない

扇状降水帯に入ったときの雨の降りをバカにはできません。ちょうど先週、東京西部の大雨と同日に我が家の周辺にも扇状降水帯による大雨が降ってきたので、どうやって雨水が集まり駐車場に侵入してくるのか?ご紹介します。

家の中からでも「降りが強いな」と感じてから数分はまだこんな状況。写真左上の側溝からは雨水が溢れ気味ですが、まだ道路に水は溢れてきていません。

ただし10分ほど経つと、このように側溝で雨水を処理しきれず、道路に溜まりつつあります。この道は手前側に下っていますので、雨水は手前側に勢いを付けて流れて川のようになります。

この後数分後には、道路の水深が深くなるので、駐車場への水の浸入を防ぐために土嚢を置きます。

しかし、この土嚢さえも乗り越えて、少しずつ水が駐車場に侵入してきます。道路には足のすねくらいの水位ですが、流れが急で抵抗力があるので、足を取られる可能性があるくらいです。バランス崩したらスッ転ばされそうな水の流れはちょっとしたスリルがあるほどです。

徐々に駐車場内に水が溜まってきました。ボクスターフロア浸水のときは、駐車場のシャッターは閉めてあったのですが、土嚢は無かったので、雨水は侵入し放題だったわけですね。

大雨に気づいてから約30分、段々水が車体の下の方まで溜まっていきます。さすがにここで土嚢だけでは水が溜まる一方なので、バケツで水を外に掻き出す作業を始めました。

今回はその甲斐もあって、ボクスターのときほど水の浸入が無いまま徐々に雨の勢いが無くなっていったので良かったのですが、自分が不在のときに今回と同じような集中豪雨が降ってきたらと思うと、気が気でなりません。

ハザードマップの危険区域でなくてもこうなる

私が住んでいるところは、河川からは遠く離れた丘の上のほうにあるので、国土交通省が運営する「ハザードマップ」の洪水ハザードマップ洪水浸水想定区域とはまったく別の場所なのですが、内水ハザードマップを見ると1時間雨量153mm想定で20~50cmの床下浸水箇所の区域に若干かかっているのです。

内水とは、主に河川や海からの氾濫ではなく、雨が降ったときに市街地や農地の排水が追いつかずに起こる浸水のことを指します。

短時間で想定以上の雨が降ると、下水処理が追いつかず雨水が排水できなくなり、内水浸水が発生するのです。

ですから、どんなに河川から離れた場所でも、今日本各地で発生している扇状降水帯による大雨が降ってきたら、雨水が排水できないことによる浸水被害も頭に入れておかなければいけないでしょうね。

皆さんの居住区域や職場、車でよく行かれる場所について、たとえ河川の近くじゃなくても、高台にある場所でも、内水による浸水のリスクがあることを覚えておかれると良いでしょう。

ハザードマップのサイトには洪水ハザードマップの他に内水ハザードマップを掲載されてますので、ぜひチェックしてみてください。それとともに、常日頃から、扇状降水帯の発生は気にしておいたほうが良いですし、ちょっと降りの強い雨のときに、ご自宅周辺等で雨水がどう処理されていくのか?チェックしておいたほうが良いと思います。

我が家のように坂の途中にある家や、高台にあっても窪地にあるような場所では、雨量や水の流れ方で簡単に短時間に家や駐車場が浸水し、被害を被ることもあるので、注意が必要です。

車は水深何cmで車内に水が浸入してくるのか?

さて、ボクスターは最低地上高120mmですので、セダン、ハッチバック車はもちろん、今流行のクロスオーバーSUVと比べれば断然地上高は低いので、それだけ水の浸入には弱いことになります。

国産メーカーの車の最低地上高を見てみましょう。

メーカー車種グレード最低地上高
トヨタヤリス2WD 1.5Lガソリン車145mm
GR86RZ130mm
シエンタハイブリッドG140mm
プリウス2.0LハイブリッドG150mm
ホンダZR-V4WD190mm
シビックTYPE R125mm
N-BOX145mm
日産ノートX  2WD135mm
サクラX145mm
三菱デリカD-5P  4WD185mm
スバルレヴォーグSTI Sport EX145mm
マツダロードスターS140mm
スズキスイフトマイルドハイブリッドMZ120mm
ポルシェボクスター987120mm

やはり987ボクスターの最低地上高は低いのですが、意外とスズキの現行スイフトはボクスターと同じ120mmで低いんですね。そしてGR86やシビックTYPE-Rも最低地上高は低い車です。もちろん車ごとにフロア下の形状は違うので、一概に最低地上高が低い車=浸水しやすい車とは言えませんが、地上高が高い車(表中ではZR-VやデリカD-5)よりはリスクが高いと言えるでしょう。

では、雨水の水深と車への影響について一般的に言われていることを確認してみます。

水深と車への影響

水深30cm 前後(水深:くるぶし〜膝下程度)
下回り(マフラー・床下)に水が触れ始める。最低地上高が低い車だと車内に入る可能性もあるが、少し高い車だと車内に入る可能性は低い。ただし車内よりも低い位置に電子部品・ベルト類が配置してあると、影響が出始める。

⇒私のボクスターの浸水の状況がこれ!

・40〜50cm(水深:膝上〜太もも)
ドア下端やフロアパンの隙間から水が侵入し始める高さ。130mm~150mmくらいの最低地上高だと、このあたりで室内浸水が発生する可能性アリ。

60cm 以上(水深:腰あたり)
多くの乗用車で確実に車内に水が入る。もうこの時点で、ほとんどの車が走行不可能になる。シート下、電装部品(シートモーター・ECUなど)も被害を受けやすい。

80cm〜1m 以上(水深:胸近く)
最低地上高の高いSUV・ミニバンでも室内浸水が避けられないし、そもそも走行できないので、水圧でドアが開かなくなるなど、生命の危険に繋がるレベル。

 

つまり

最低地上高が低いスポーツカータイプの車⇒水深30cmで車内浸水のリスク

最低地上高が130mm~150mmのファミリータイプの車⇒水深40cm~50cmで車内浸水のリスク

最低地上高が170mm以上のSUV車等⇒60cm以上になると車内浸水および走行不能により命の危険

 

となります。もちろん車内浸水と同時に走行不能になる可能性や車からの脱出が出来なくなるリスクもあるので、たとえ地上高が高いSUVでも無理は禁物です。

水没による補償は、車両保険加入が必須

自動車保険の種類と補償内容|自動車保険比較サイトi保険

では、もし車が浸水した場合の自動車保険について、簡単に見てみましょう。

①自賠責保険

自動車の購入時や車検時に強制的に加入する保険です。ただし自賠責保険では水害については補償されません。そもそも自賠責保険は対人事故のように、交通事故被害者を救済するためのものなので、当然ながら水害の補償は無いのです。

 

②任意保険

運転者が、任意に保険会社と契約して、対人賠償責任保険、対物賠償責任保険、人身傷害保険、そして車両保険があります。任意保険では、対人、対物、人身傷害の保険は入っていて、車両保険には入らないって人もいますが、こと水害に関しては車両保険に入っていないと補償されませんので、注意が必要です。

③車両保険に入っていれば補償されるが・・・

水害により車が水没した場合、損害金額から免責金額を差し引いた金額が支払われます。また今回の四日市の駐車場の車のように完全に車がすべて水に浸かった場合、エンジン等に異常をきたすことになり修理不能で全損扱いになり、免責金額に関係なく契約している車両保険金額の全額が支払われます。

ここまでは、どこの保険会社の説明でも書かれていることですが、問題は私のボクスターのように、中途半端に浸水した場合の扱いについてです。

エンジンや吸排気系は割と高い位置にあるので、それ以上に水に浸かってしまったならすぐに全損の判定になると思いますが、エンジンまで達していない場合は、基本的に修理可能となり、その場合保険会社の判定員がディーラー等の修理業者と折衝して修理箇所を補償の範囲とするか?を決めていくのです。

ここで、保険会社の善し悪しが問われます。私はポルシェのディーラーに聞いたのですが、同じ程度の水害の場合で同じ箇所の部品でも、保険会社によって、補償修理OKな会社とNGな会社で分かれるのだそうです。

たとえば床に水が浸したくらいの浸水で、シート自体は水に浸かっていない場合、保険会社によってシート交換OKの会社とNGの会社に分かれるのだそうです。ただ、内装については少しでも浸水があった場合は、その後匂いが残るので、全取っ替えが必要ですが、保険会社によっては補償されない会社もある、というように、車両保険に入っていても場合によっては補償の内容が会社によって違うことに気をつけておく必要がありますね。

 

まとめますと

・水害について保険で補償されるのは、任意保険の中の車両保険であるということ

・ただし完全に車全体が水没してしまえば、全損扱いになるが、中途半端に水に浸かると修理が前提

・補償で修理する箇所は保険会社によって判断が異なる場合があるということ

・だから安易に「安いから」だけで保険会社を選んではいけないということ

が言えると思います。

【無料】複数の保険会社から自動車保険を一括見積もり請求、保険料の徹底比較も可能!

今日の記事のまとめ

扇状降水帯による豪雨は日本中どこでも、どんな季節にも、どんな場所でも、起こる可能性があります。台風と違い、事前に対策をとる時間が無い場合も多い扇状降水帯による豪雨ですが、まずは、ご自身の自宅周辺、職場、よく車で行く場所、についてはハザードマップで確認しておく必要がありますね。

特に、大雨が降ったときの水の流れ、窪地等における水の溜まり方については、想定を超えた水害が起きる可能性があるので、ハザードマップでも「洪水ハザードマップ」「内水ハザードマップ」の両方をチェックしておくと良いでしょう。

また、車の最低地上高について国産車を中心に見てきましたが、水深30cmの深さの水害が起きてる地域では、車高の高いSUVやミニバンを除いて、車内浸水のリスクがあることを考えておく必要がありますね。

「では、SUV等は大丈夫なのか?」というのも違います。逆にSUV等はちょっとの水深でも走れてしまうから、過信して移動しちゃうのですよね。そしてもっと深い水溜まりに突入して、一気に車が動かなくなる危険性もあるのです。そうなった際は、逆にドアも開かなくなるほどの水深になっているので、命の危険も伴う、というわけなのです。

最後に水害に遭った際に、保険適用があるのか?についても見てきました。基本は車両保険加入が補償には必要ですが、保険会社については、じっくり考えて、安易に「保険料が安いから」という理由だけで選ばない方が良い、という説明をいたしました。

 

最後に、四日市の地下駐車場における車両水没の被害ですが、まだ駐車場管理会社に責任があるのか?分からない状況ですが、管理会社の補償については難しいのかな?という印象がありますね。となると、各オーナーさんが車両保険に入っていなければ実費で車を修理、もしくは買い換えしなければいけないことになります。

中には、購入してから月日が経っていない車もあったでしょう。大変でしょうけど、もう車に関してはしっかり保険をかけておかなければならない時代になった、ということが言えると思います。



\ 最新情報をチェック /

PVアクセスランキング にほんブログ村
  • この記事を書いた人

まっすー

神奈川県在住の50代、無類の車好き。サラリーマン時代に購入した愛車のポルシェを水没させてしまうが見事に復活させた経験あり。2台目のポルシェと現在の愛車ゴルフⅦは中古で購入。これまで乗ってきた車、試乗した車を基に今ならこんな中古車を狙いたい!を発信します。

-車が水没しちゃったら

PAGE TOP