「トヨタ スープラはこのまま終わってしまうのか?」
そんな声が出始めていた中で、ここにきて次期モデルに関する噂が少しずつ出てきました。
現行のスープラはBMWとの共同開発という特殊な立ち位置で復活しましたが、次期型スープラは、BMWとの共同開発を解消し、オールトヨタ製として生まれ変わるという噂が現実味を帯びています。さらに、往年の名車「セリカ」や「MR2」の復活説も浮上しており、トヨタのスポーツカーラインナップはかつてない激変期に突入しようとしています。
鍵を握るのは、トヨタが発表した「新開発2.0Lターボエンジン」。そして、謎に包まれたコンセプトカー「FT-Se」の正体です。
本記事では、最新のリーク情報をもとに、次期スープラのスペック予想から、セリカ・MR2との驚きの棲み分け、そして「4WD化」の是非まで、徹底的に深掘りします。
次の世代では「トヨタらしさ」や「スポーツカーとしての方向性」そしてもう一つ、クルマ好きにとって避けて通れないのが価格の問題がどうなるのかが大きな焦点になりそうです。
かつてのスープラのようにその性能や価格が”現実的に手が届くライン”に収まるのか、それともさらに遠い存在になってしまうのか、をクルマ好き目線で考えてみます。
現行(A90)スープラはこんなクルマ

現行(A90)トヨタ スープラは、2019年に登場し、BMW Z4とプラットフォームを共有しつつも、トヨタ独自の「スポーツの味」を追求しました。
登場は、3.0L直6ターボで340ps / 500Nmを誇る「RZ」と、2.0L直4ターボのSZ/SZ-Rの3グレードでスタート。2020年に「RZ」が340psから387psへと出力UP。
2022年「RZ」に6速のMTミッションが設定されました。単にMTを載せただけでなく、全グレードでステアリングと足回りの制御を一新。ハンドリングがより自然になり、「意のままに操る」感覚が極まりました。
そして、生産終了を目前に2025年に発表されたのが、究極のスープラ「A90 Final Edition」です。

この「A90 Final Edition」は、「RZ」の3.0L直6ターボをベースにチューンナップを行い、441ps / 571Nmという国内市販トヨタ車で最強クラスのエンジンに仕上げ
・KW製 減衰力調整式サスペンション
・アクラポヴィッチ製 チタンマフラー
・ブレンボ製フロント19インチディスクブレーキ
・カーボンフロントスポイラー、カーボンリヤウイング
等、走りの装備を満載し、国内150台抽選販売で登場させました。
この「A90 Final Edition」、価格は1,500万円と800万円のRZの倍近いプライスながら、申し込みが殺到し、抽選受付開始1ヶ月も経たないうちに受付が締め切られたほどの人気だったのです。
現行(A90)トヨタ スープラ、当初はBMW Z4との共有もあり、BMWの血が濃かったのですが、年を追うごとにトヨタのエンジニアが独自の改良を加え、最後のファイナルエディションで、ついにトヨタとして理想のA90スープラが完成したのだと思ってなりません。
そして2026年3月、A90スープラは生産終了になります。次期型(コードネームA100になるのか?)は果たして登場するのか?登場するならどんなクルマで登場してくるのか?クルマ好きとしては興味が尽きません。
次項でこれまで噂となっている次期スープラ(A100)について、見ていきましょう。
【噂の核心】次期型のパワートレインは?400馬力超ハイブリッドの可能性

次期スープラ(A100)については、現在複数の自動車メディアやリーク情報で語られています。
まとめてみますと
1. 「BMWとの決別」と「純トヨタ製」への回帰
現行A90型スープラは、BMW Z4とプラットフォームやエンジンを共有していましたが、次期型は「トヨタ独自開発」になるという説が濃厚です。トヨタとBMWがスポーツカーの共同開発を終了する理由はいくつかあります。
理由①: 兄弟車「BMW Z4」の市場撤退と生産コスト
最大の理由は、プラットフォームを共有するBMW Z4が2026年3月をもって生産を終了し、後継車の計画がないことです。
A90スープラは、オーストリアのマグナ・シュタイアー社の工場でZ4と同じラインで生産されています。販売台数が振るわないZ4が消える中で、トヨタがスープラ1車種のためだけに、高コストな委託生産を維持し続けるメリットが薄れました。
また、BMWは現在、次世代EVプラットフォーム「ノイエ・クラッセ」にリソースを集中させており、ニッチなスポーツカーであるZ4(およびそのICEプラットフォーム)を継続する意欲が低下していることも理由として挙げられるかと思います。
理由②:トヨタ自社開発の「新エンジンの完成」
共同開発が始まった当時は、トヨタに「スープラにふさわしい直6エンジン」がありませんでしたが、現在は状況が変わり、次世代の「超高性能2.0L 4気筒ターボエンジン」を開発しました。このエンジンは単体で400ps、ハイブリッド化で500ps超えを狙えるポテンシャルがあり、「BMWのエンジンを借りずとも、自前で最高のスポーツカーが作れる」環境が整ったと言えるでしょう。
理由③:電動化戦略の決定的なズレ
両社の「電動化への向き合い方」が分かれ道となりました。
トヨタ: 「マルチパスウェイ」として、エンジン+モーターの高性能ハイブリッド(HEV)を軸にしたスポーツカーを模索。
BMW: スポーツカーの未来を「純EV(BEV)」へシフトさせたい意向。
この「パワートレインの方向性の違い」により、共通のプラットフォームで両方のニーズを満たすことが物理的に難しくなりました。
理由④:「真のスープラ」へのブランド回帰
BMWとの共同開発は「スープラ復活」のためには最善の策でしたが、熱狂的なファンからは「中身がBMWであること」に対する複雑な声も根強くありました。
トヨタが名実ともに世界トップの自動車メーカーとして、スープラという看板を「オールジャパン・オールトヨタ」で開発することで、今まさにオールトヨタで展開する「GRブランド」を強固に確立する絶好の機会と考えているのでしょう。
Z4の制約(ホイールベースの長さや足回りの設計思想)から解放され、トヨタ独自のハンドリングやパッケージングを突き詰めたスープラをGRブランドの最上位車種として開発することに大きな意味があると思われます。
2.ベースエンジンは、新開発の2.0L直列4気筒ターボエンジンが有力
次期スープラに搭載されるエンジンとしては、2025年の東京オートサロンで発表されたトヨタの新開発「2.0L直列4気筒ターボエンジン」の搭載が噂されています。
ただし、この新エンジンについては、次期セリカや次期MR2にも搭載される噂があり、スープラにはハイブリッドシステムを組み合わせ、400ps〜500ps級のパワーを発揮するという予測もあります。
また「やっぱりスープラには6気筒が欲しいよね」って声もあり、最新の噂では、この2.0L 4気筒をベースに「3.0L 6気筒」を開発し、次期スープラに「トヨタ製直6」を載せるというロマン溢れる説も浮上しています。これが実現すれば、セリカ(4気筒)とスープラ(6気筒)の棲み分けはより明確になります。
3.駆動方式はFRが有力だが・・・
スープラといえば、駆動方式は歴代FRで通してきましたので、次期スープラも噂ベースではFRレイアウトとするのが有力です。スープラをFRとすることで
・スープラ → ハイパワーFRで高級スポーツカー路線
・セリカ → かつての「GT-FOUR」を彷彿とさせる4WDスポーツカー路線(概要は下記記事にまとめています)
・MR2 → ミッドシップレイアウトで軽量コンパクトなハンドリングマシン路線(概要は下記記事にまとめています)
と棲み分ける噂が主流です。
ただし、500ps級のパワーユニットを搭載するとなると、一般ユーザーがにFRでコントロールして楽しくドライブするのに難しさがあることも考えられます。すでに欧州メーカーでは500ps級4WDの車種も増えていますので、4WD化もあり得るかもしれません。
逆に500ps級のパワーユニットを搭載しても、電子制御LSDやアクティブステアリングの進化により、あえてスープラを「操る楽しさのあるFR」として残す可能性があります。
すでに「A90 Final Edition」は441psを発生しながらFRレイアウトを採用しているので、更なる技術の進化によりハイパワーFRを一般人でも楽しく走らせることができるクルマとしてスープラを作ることに魅力があるかもしれませんね。
デザイン予想:FT-Seが次期スープラの正体か?

トヨタが2023年のジャパンモビリティショーで初公開したFT-Seは次世代の高性能バッテリーEV(BEV)スポーツカーのコンセプトモデルで、薄型・軽量バッテリーを採用し、ワイド&ローなデザインで高い操縦安定性と空力性能を追求したモデルです。
当初はこのFT-Seが、将来のスープラやMR2とも噂されていましたが、現在は「FT-Seがそのまま次期スープラになる可能性は低い」というのが専門家の間での共通見解になっています。
このFT-Seを見る限り、キャビンが前方にあり、リアに重量物(モーターやバッテリー)を感じさせるミッドシップ的なフォルムです。これは「MR2」の再来としてはあり得ますが、伝統的に「直列エンジンをフロントに積む」スープラのロングノーズ・ショートデッキという文脈とは異なります。
ただし、FT-Seで提示された「鋭いLEDヘッドライト」や「大きく張り出したリアフェンダー」といった次世代GRデザイン案は、次期スープラにも色濃く反映される可能性はあるでしょう。実際、現行A90スープラが発表される前に登場したFT-1コンセプトのデザインは、A90スープラのデザインの元になっています。
そこで気になるのが、昨年末にワールドプレミアになったGR GT、GR GT3というコンセプトカーです。

トヨタがレース参戦を見据えて開発している「GR GT、GR GT3 Concept」のデザインが、次期スープラ(あるいはレクサスの兄弟車)のベースになるという説も有力です。
GR GTの特徴として、全高とドライバーの位置を極限まで下げる徹底した低重心化、オールアルミニウム骨格でボディパネルにはカーボンや樹脂といった様々な素材を適材適所に使用する強くて軽いボディ、徹底した空力追求を目指しています。
レクサスの次期フラッグシップクーペ(LFR?)と基本骨格を共有するため、スープラを高級FRスポーツ路線として位置づけるにはGR GTコンセプトのデザインを基本とする可能性もあるのです。

やはり、次期スープラをどんなコンセプトのクルマとして出してくるのか?(4気筒ターボ+ハイブリッドなのか?6気筒なのか?FRなのか?4WDなのか?ある程度一般向けなのか?高級路線なのか?)で車体デザインも変わってくるでしょうし、セリカやMR2との棲み分けを考えて登場させるでしょうから、まだまだ車体デザインの確定情報は先になるでしょう。
発売時期と価格帯はどうなりそうか?

現行、A90スープラが2026年3月をもって販売終了となります。これから「A90 Final Edition」とともに最後のデリバリーが始まっていくので、しばらくは次期(A100)の発表は無いでしょう。
1.発売時期は?
次期スープラ(A100)の最も有力なシナリオは、現行モデル終了から約1年強の空白期間を経た2027年内の発表・発売です。
トヨタは大きな新型車を発表する際、2年に一度の「ジャパンモビリティショー(旧東京モーターショー)」を舞台に選ぶ傾向があります。2025年のショーでコンセプトモデルが披露され、2027年のショーで市販版がワールドプレミアされるというスケジュールが現実的です。
このワールドプレミアまでの期間内に、新開発の2.0L直4ターボエンジンを現在スーパー耐久シリーズなどのモータースポーツ現場で実戦テストし、市販車クオリティに落とし込み、さらにハイブリッドシステムと適合させることを行っていくでしょう。また、もしも6気筒を考えているなら、その開発期間も並行して行っていくと考えています。
トヨタとすれば、2026年に一旦スープラが市場から消えることで、ファンの飢餓感を高め、2027年の復活をよりドラマチックに演出する戦略を考えていても不思議ではないでしょう。
2.価格はどうなる?
現行(A90)スープラは、最廉価の「SZ」が4,995,000円、最上位の「RZ」が8,000,000円となっていますが、次期型は、現行よりも「上のレンジ」へシフトする可能性が高いと見ています。
理由①:独自プラットフォームと電動化のコスト
BMWとの共同開発を解消し、トヨタが独自(またはレクサスと共同)の新プラットフォームを開発する場合、莫大な投資が必要になります。さらに、高性能なハイブリッドシステムや最新の電子制御を搭載するため、現行のスタート価格(約500万円〜)を維持するのは難しいでしょう。
理由②:レクサス兄弟車との兼ね合い
次期スープラは、レクサスの次世代スポーツ(LFA後継やLC後継の要素を持つモデル)と車体骨格を共有するとの噂があります。もし共有するならば、スープラ自体の車格もワンランク引き上げられ、「ポルシェ 718ケイマン」や「911」の下位グレードを射程に収めるプレミアムスポーツへと進化すると予想されます。
たとえば
標準グレード(RZ?):約750万~900万円 2.0L ターボ + HEV (400ps級)
ハイパフォーマンス(GRMN?):約1,000万~1,500万円 2.0L 高出力ターボ or 3.0L 直6化?
敢えてスープラの価格を上げることにより、次期セリカとの差別化も図ることができます。仮に両車とも2.0Lターボを搭載するのであれば、次期セリカの価格を600万円台で抑え、スープラはカーボン素材の多用や豪華な内装で、明確に1,000万円近い高級路線へ舵を切ることで差別化する。こんなシナリオも予想されています。
まとめ:2027年スープラは「世界の頂」へ。しかし、僕らが本当に期待するのは……

ここまで次期スープラ(A100)にまつわる噂を紐解いてきました。
独自開発の2.0Lターボ、強力なハイブリッドシステム、そして最新の電子制御。2027年に登場するであろう新型スープラは、もはや「手の届くスポーツカー」という枠を飛び越え、ポルシェやメルセデスAMG、BMW Mといった世界の強豪と肩を並べる「世界と戦うスーパーGT」へと進化を遂げることになるでしょう。
電動化や最新鋭の電子制御をふんだんに使った「世界と戦うスーパーGT」として登場するであろう次期スープラ。性能は大幅に上昇すれど、その車両価格も大幅に上昇してしまうはずです。
かつてA70スープラの伸びやかなロングノーズ・ショートデッキに憧れ、いつかは自分も……と夢を見ていた一人のクルマ好きとしては、少し複雑な心境でもあります。リトラクタブルライトの奥に未来を見据え、背伸びをすれば若者でも手が届いた、あの頃の「身近なヒーロー」としてのスープラ。
もちろん、時代の流れですから仕方のないことですが、それでも、単なる「富裕層のコレクターズアイテム」に収まるのではなく、ステアリングを握れば誰もが夢中になれる、あの頃のスープラが持っていた「熱量」だけは、どんなにハイテクになっても失わないでほしい――。そんな思いがあるのも事実なのです。
皆さんは、次期スープラに何を求めますか?






