日本車の中では、比較的安価で手頃な性能のコンパクトホットハッチとして人気のスズキ スイフトスポーツですが、すでに2025年11月で生産を終了しています。
11月まで生産されていたスイフトスポーツは、現行型ではなく、基準の形式としては一代前のもののスポーツバージョンです。その辺りの詳細はこちらの記事をご覧ください。
上記、生産終了されたスイフトスポーツは、一代前の世代から派生したモデルでした。現行のスイフトはすでに2023年に発売開始されていますが、そのスポーツモデル(スイフトスポーツ)は、まだメーカーからも公式な発表が無い状況です。
今日の記事では、あくまで予想ですが、もし復活するならという前提で、価格はどのくらいが現実的なのか?を考えていきたいと思います。
11月に生産終了となったスイフトスポーツ(ZC33S型)は、車両本体価格が200万円前後という価格帯で登場しました。
ターボエンジンを搭載し、軽量なボディと6MTを選べる本格的なスポーツモデルでありながら、この価格は当時としてもかなり魅力的でした。今振り返ってみると、この価格帯で「走りを楽しめるクルマ」が買えたこと自体が、すでに特別な時代だったと言えるかもしれません。
この物価高の時代に、次期型のスイフトスポーツがどんな価格帯で出されることになりそうなのか?正式な情報が無いままですが、様々な状況を考慮しながら考えてみたい、皆さんもぜひ妄想しながらこの記事にお付き合いいただければと思います。
スイフトスポーツの価格の変遷を見てみる
スズキ スイフトというクルマは、厳密に言えば2000年から2005年までに販売されたHT型というモデルがありますが、スズキの公式サイトには2004年登場のZC11S型を「スイフトの初代モデル」と記していますので、ZC11S系以降4世代のスイフト(スポーツについては3世代)の価格の変遷を見ていきましょう。
| 世 代 | スイフト(ベースモデル)価格 | スイフトスポーツ価格 |
| 初代(ZC11S系) | 1,013,250円~1,543,500円 (2004.11発売) | 1,564,500円~1,617,000円 (2005.9 2005.10発売) |
| 2代目(ZC72S系) | 1,244,250円~1,653,750円 (2010.9発売) | 1,680,000円~1,748,250円 (2011.12 2012.1発売) |
| 3代目(ZC13S系) | 1,343,520円~1,941,840円 (2017.1発売) | 1,836,000円~1,992,600円 (2017.9発売) |
| 4代目(ZCDDS系) | 1,727,000円~2,332,000円 (2023.12発売) | ? |
ちなみに、3代目スイフトスポーツの終盤に登場した「ZC33S ファイナルエディション」は、内外装の装備を充実させ、価格が6MT:2,329,800円/6AT:2,401,300円と、普通のスイフトスポーツよりも16.5万円高額になっていました。
さて、初代からの価格の変遷を見ると、初代及び2代目については、スイフト(ベースモデル)の上位機種としてスイフトスポーツが設定されているような価格設定ですね。ただ、3代目については、ベースグレードの価格が大幅にアップしています。特に最上位グレードは194万円にも達し、スイフトスポーツと価格が逆転しています。
実はこの3代目のスイフトから、1,2リッターのマイルドハイブリッドモデルが登場しています。また、同じマイルドハイブリッドのモデルの中でも、セーフティパッケージがこの世代から採用され、その装着車が一番高額になっています。
ちなみに、セーフティパッケージの内容は年式やグレードによって差異はありますが、一般的に以下の装備がセットで提供されていました。
(1)予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」関連として
・デュアルセンサーブレーキサポート(DSBS)
・車線逸脱警報機能
・車線逸脱抑制機能
・ふらつき警報機能
・先行車発進お知らせ機能
・ハイビームアシスト機能
・アダプティブクルーズコントロール(ACC)
(2)乗員保護装備として
・SRSカーテンエアバッグ
・フロントシートSRSサイドエアバッグ
・リヤシートベルトフォースリミッター
以上のとおり、初代のベースモデルは車両本体価格100万円ちょっとで購入することができましたが、約20年の時を経て、マイルドハイブリッドモデルの追加や先進の安全装備の追加等で、ついに最上位グレードが233万円に達するまでに価格が上昇しているのです。
4代目スイフトスポーツは価格上昇?なぜ同じ価格で出せないのか?

上記のとおり、ベースモデルの価格も3代目と4代目を比較しても最廉価グレード、最上位グレードともに40万円ほど価格がアップしています。ですから、4代目スイフトスポーツも価格アップすることが予想できますよね。
では、価格がアップすると思われる要因を挙げてみます。
1.エンジンの進化
上記、スイフトの価格変遷表のとおり、ベースモデルのスイフトは、3代目からマイルドハイブリッドのパワーユニットが加わったことで、価格が一気に上昇しました。すでにスズキは軽自動車でターボ+マイルドハイブリッドのパワーユニットを展開してますので、4代目のスイフトスポーツもターボ+マイルドハイブリッドにしてくる可能性は大いにあるでしょう。
2.安全装備の義務化と装備増加
これも、3代目スイフト、3代目スイフトスポーツから先進安全技術が採用されたことにより、価格の上昇に繋がっていると考えています。こういった先進安全技術は日々進化し、4代目スイフト、そして4代目スイフトスポーツにはより進化した安全装備が採用されるでしょう。ただそれにより価格上昇も免れないと考えられます。
3.原材料費・輸送費コストの上昇
自動車を生産するうえで避けて通れないのが、原材料費や物流コストの上昇です。鋼材や半導体だけでなく、輸送にかかる燃料費も上がり続けています。こうしたコスト増は、車両価格に直接反映せざるを得ません。これは「スイフトスポーツだから」という意味では無く、これから生産されるクルマ全体に言えることだと考えられます。
4.為替(円安)が直撃する価格構造
さらに大きいのが円安の影響です。輸入部品の比率が高い現代のクルマにおいて、為替の影響は無視できません。仮に同じ仕様・同じ性能のクルマを作ったとしても、為替だけで数十万円単位の差が出ることも珍しくありません。
今後も更に円安が進むのであれば、それがスイフトスポーツ生産に与える影響は大きいことになるでしょう。
スイフトスポーツが復活するなら現実的な価格は?

※以下の価格予想は、現行モデルの装備内容、安全性レベル、地政学的コスト(円安・原材料費)、そして安全規制強化などを総合的に想定した上でのものであり、確定情報ではありません。
ここまで、スイフトスポーツの価格上昇の可能性についてお話ししてきました。
上記の価格上昇の要因を踏まえて、もしスイフトスポーツが復活するのであれば、価格はどうなるか?
あくまで仮定の話になりますが、もしスイフトスポーツが今の時代に復活するとしたら、
200万円台前半での再登場はかなり厳しいと考えられます。
装備内容や安全基準、為替を考慮すると、300万円に近づいてくる可能性は十分にあるでしょう。
すでに3代目スイフトスポーツの終盤に登場した「ZC33S ファイナルエディション」で、価格が2,329,800円~2,401,300円となっています。このファイナルエディションは内外装の装備を充実させたスイフトスポーツになっていますが、4代目はこの価格帯よりも下げてくることはしないはずです。
そして、3代目よりも動力性能や燃費の向上を目指すなら、ターボ+マイルドハイブリッドのシステムを採用してくることは充分考えられることです。マイルドハイブリッドのシステムを持つ4代目スイフトの最上位グレードがすでに233万円という値付けになっていることもあり、やはり300万円に近づけてくる、という予測は現実的ではないかと考えられるのです。
この価格帯は「エントリースポーツ」と呼べるのか?
仮に4代目スイフトスポーツが300万円前後となった場合、購入を検討する層は大きく変わってきます。
かつてのように「若いうちに初めて乗るスポーツカー」という立ち位置で勝負できるクルマではなくなってしまうでしょう。この物価高の時代に、車両価格だけでなく、クルマを購入すれば駐車場代、税金、保険費用、メンテナンス費用等が別途かかるのに、300万円前後となれば若い人達が手を出せるクルマではなくなってくるのです。
若いうちは手持ち資金もありませんから、ローンを組んでクルマを購入することも一つの方法としてありますが、今のこの物価高の時代、ただでさえ生活が苦しい若い人達が、新車を購入して上記の様々な費用を支払っていく余裕は無いと考えられますよね。
それを見越して、メーカー側は残クレ(残価設定型クレジット)やクルマのサブスクを設定してくることも考えられますが、それでも若い人達にとってみれば、単に生活を苦しくするだけのもの、になっているのです。
であれば、「ある程度余裕のある層が選ぶ趣味性の高いクルマ」へと変化せざるを得ません。2台持ち出来る人達の遊び車や、若い頃にスポーツカーやホットハッチを乗っていた人達が、時を経て「もう一度クルマを操る楽しさを味わいたい」という選ばれ方に変わっていくのかもしれませんね。世代としては、若くて30歳代、メインは50歳代以上になるかもしれません。ただ、そういうユーザーに選ばれるには、内外装の質感もアップさせないといけませんけどね。
スイフトスポーツの価格は他車にも影響する
この価格帯の変化は、スイフトスポーツ単体の話ではありません。同じくコンパクトスポーツとして噂されている車種にも、大きな影響を与えます。同じコンパクトスポーツの領域を狙うのであれば、登場が噂されるトヨタの「GRスターレット」がどの価格帯になるかは非常に気になるところです。
価格が300万円前後の領域になるとすれば、現行スイフトスポーツのポジションと比較しながら考察する価値があります。
スターレットについても記事にしていますので、ぜひチェックしてみてください。
これまで、200万円台という手頃な価格帯のホットハッチはスイフトスポーツしかありません。同じBセグメントのハッチバックとしてトヨタのGRヤリスがありますが、こちらは性能・価格ともクラスの違うクルマになってしまって、気軽に購入して乗るクルマではなくなっています。
復活する噂のあるスターレットのスポーツモデルとなるGRスターレットは、スイフトスポーツのライバルになり得るモデルとなるでしょう。どちらが先に登場するのか?まだ情報はありませんが、仮にスイフトスポーツが先に登場するのであれば、その価格帯を無視した設定は考えにくいでしょう。
いずれにしても、スイフトスポーツ復活については、色々な意味で他車に影響してくる、ということになります。
本日のまとめ:スイフトスポーツも高級化?

本日の記事では「スイフトスポーツ もし復活するなら価格はいくらが現実的か?」について考察してきました。残念ながら、3代目スイフトスポーツからの価格上昇は避けられないところです。
価格が上がる主な要因として
・パワーユニットのハイブリッド化
・安全装備・運転支援技術の標準化
・原材料・物流コストの上昇
・円安による部品コスト増
以上を考えて、4代目スイフトスポーツがもし発売されるなら価格は300万円に近づく、と予想しました。
この300万円という価格は、さすがにこれまでのスイフトスポーツの特徴となっていた「若いうちに初めて乗るスポーツカー」というイメージから離れ、「経済的に余裕のある人が乗るスポーツカー」に変化するかもしれません。
また、スイフトスポーツは現在の国産Bセグメントホットハッチの騎手になっていますので、他メーカーから同様のコンセプトで車種を出すのなら、スイフトスポーツの価格を基準にして価格設定してくるでしょう。そのくらい影響を与えるクルマだということが言えます。
噂のレベルですが、トヨタもスターレットの復活が囁かれ、当然ながらスイフトスポーツの対抗馬としてスポーツモデルの「GRスターレット」の登場も期待されています。今後のスズキとトヨタの動きに注目したいところです。






