新型プレリュードの販売が、噂に寄れば2025年秋になりそうな気配。となると、主要ディーラーに予約受付の情報が入ってくるのは、今年の夏の8月頃?どんなユーザーがこの新型プレリュードのオーナー層になるのか?車好きとしては楽しみなところです。
さて、そんな新型プレリュードですが、早くも「タイプR」の噂も飛び交っているようです。これまでホンダはNSX、インテグラ、アコード(国内ではユーロR)、そしてシビックに「タイプR」を登場させてきましたが、プレリュードにもタイプRが設定されるのでしょうか?
今日の記事では、プレリュードのタイプR登場の噂について考察してみます。ホンダが本当にタイプRを出すには、ある程度条件が必要になってくると思います。どんな条件をクリアできればタイプR登場の可能性が出てくるのか?果たして早期に予約して素のプレリュードをじっくり味わうか?タイプRの登場を待つか?参考にしていただけると幸いです。
新型プレリュード 現在判明している概要は?
まずは、これまでに情報として出ている新型プレリュードの概要について、おさらいしましょう。
① 新型ホンダ・プレリュードは、2025年秋に約20年ぶりの復活を果たす2ドアスペシャリティクーペ
② ホンダは「移動の楽しさを追求し続け、持続可能な次世代FUNを提供する」ことを新型プレリュードの役割と位置付けている
③ ボディサイズは、全長4,400~4,500mm×全幅1,820~1,850mm×全高1,400mm。ホイールベース2,650~2,700mm
<2ドアクーペ、外寸の比較>
車種 | 全長(mm) | 全幅(mm) | 全高(mm) | ホイールベース(mm) |
ホンダ 新プレリュード | 4,400~4,500 | 1,820~1,850 | 1,400 | 2,650~2,700 |
トヨタ GR86 | 4,265 | 1,775 | 1,310 | 2,575 |
トヨタ GRスープラ | 4,380 | 1,865 | 1,295 | 2,470 |
日産 フェアレディZ | 4,380 | 1,845 | 1,315 | 2,550 |
プジョー RCZ | 4,290 | 1,845 | 1,360 | 2,610 |
④ 内装はホワイト×ブルーを基調とし、上質感と高揚感を両立
⑤ 操作系やディスプレイ類は現代的で、ドライバー中心のコックピット設計
⑥ パワートレインは、2.0L直列4気筒エンジン+2モーターのハイブリッドシステム「e:HEV」を採用、エンジンの最高出力は約155ps、最大トルク19.0kgm、モーターの最高出力は約210psと予想
⑦ 3つの走行モード(EVドライブ/ハイブリッドドライブ/エンジンドライブ)を自動制御し、低速では電動、高速ではエンジンの効率を活かす走りを実現
⑧ トランスミッションは、エンジンとモーターを制御しレスポンス性を高める技術として新開発される「Honda S+ Shift」を採用
⑨ 減衰力可変ダンパー(アダプティブダンパーシステム)を搭載し、スポーツ/GT/コンフォート/インディビジュアルの各モードでキャラクターに合った走りを実現
⑩ 予想される価格は、600万円~650万円。シビックタイプRやアコードなどホンダの上位モデルよりも高めの設定
今秋登場予定の素のプレリュードにしても、実に魅力的なスペックの車になりそうですね。
早くも「タイプR」登場の噂
そんな新型プレリュードですが、そのラインアップに早くも高性能グレード「タイプR」の噂が飛び交っています。
もちろんまだホンダからは正式な発表がなされたわけではないので、あくまで予想の範囲を超えないのですが「タイプR」を出してくるのであれば、シビックタイプRのように、外観は機能的なエアロパーツが施され、足回りも強化、リアには大型固定リアウイングを備えた仕様にしてくるでしょうね。
インテリアも、素のプレリュードのようなホワイト×ブルーを基調とした高級感とスポーティさを兼ね備えた内装ではなく、タイプR特有の赤いファブリックのスポーツシートやシートベルト、カーペット、ステアリングステッチなどが採用されると予想されています。
肝心のパワートレインについては、ハイブリッドシステムのまま、ベースエンジンやモーターの出力を上げる仕様や、ハイブリッドシステムではなく、現行シビックタイプRと共通の2.0L直列4気筒ガソリンターボエンジンを採用するケースもあるかもしれません。
プレリュード タイプR登場には高いハードルも?
そんな噂されているプレリュードの「タイプR」ですが、登場するかどうかはまだまだこれから先の展開によるところが大きいと思われます。では、どんな展開になればタイプR登場の可能性が高まりそうなのか?考えてみました。
① 素のプレリュードの売れ行き次第?
歴代プレリュードの中で販売が好調だったのは、1982年~1987年に販売された2代目で約16万6千台。1987年~1991年に販売された3代目が約17万5千台でした。年間の平均販売台数は2代目が約2万7千台強、3代目が約3万5千台。今とは違いクーペの車も人気があり、その中でも車体デザインの良さや4WS等の革新的な技術でプレリュードは大人気だったわけです。
今は、どちらかというとクロスオーバーSUVが人気で、新型プレリュードのようなクーペスタイルの車はなかなか販売台数が伸びないのですが、それでもタイプRのような高性能モデルを出すためには、まず素のグレードが売れてくれないと実現しないでしょう。
月間生産目標台数をどの程度に置くのか?は分かりませんが、最初の1~2年は月間生産目標台数を大きく上回るバックオーダーがあると、ホンダもタイプRを登場させる機運が上がるのかもしれません。
② ライバルの出現による市場の活性化があれば
正直これがタイプRの登場に一番影響力があるのでは?と思っています。2代目、3代目の売れた頃のプレリュードには、トヨタ・セリカ、日産シルビア等の強力なライバルが存在して、販売のしのぎを削っていました。
特に3代目プレリュードとS13シルビアはデザインも良く「デートカー」として爆発的な人気を誇っていたほど。私の友人も一人は3代目プレリュードSi、もう一人はS13シルビアK'sに乗ってましたし、街中でもこの2車種は引っ切りなしに見かけるような車だったのです。
ですが今は逆に、新型プレリュードの直接的なライバルが皆無な状態です。トヨタのセリカの新型が「GRセリカ」として登場してくる、という噂がありますが
まだトヨタから正式なアナウンスはありません。そして、3代目プレリュードの最大のライバルだった日産シルビア。こちらは今の日産自動車の経営状況を見る限り、新型が出てくる可能性は限りなく低いように思います。
ただ、セリカやシルビア以外にも、新型プレリュードのライバルになる車種が出てくれば、そしてたとえばセリカのGT-FOURのような高性能スポーツグレードが出されるようであれば、プレリュードタイプRの登場も現実的になっていくのだと考えています。
国産車だけでなく、輸入車でも価格帯やセグメント的に似通った強力なライバルが出現してくると、市場の活性化が期待できます。シビックタイプRのライバルとしてニュルブルクリンクのタイムを競ったルノー・メガーヌR.S.やフォルクスワーゲン・ゴルフGTIの存在があるように、輸入車がライバルとなっても良いのです。
これから先の2ドアスポーツクーペは、新型プレリュードのようなハイブリッドやPHEV、BEVとして登場してくるでしょう。噂ではポルシェ・ケイマンの新型はBEVで出てくる話しもあるようです(価格帯は違うかもしれませんが)。アウディTTも3代目の生産終了とともに、ラインアップから消えていますが、アウディお得意のe-tronで復活すると、プレリュードのライバルになり得るのではないでしょうか。
ライバルの出現による市場の活性化、これがプレリュードの復活を支え、後のタイプR登場を実現させてくれる道になると信じています。
③ タイプRの生産まで含め、生産体制を維持できるか?
素のプレリュードだけでも、新技術満載な車なので、どこまで生産台数を増やせるのか?は、後々タイプRを登場させるとすれば、鍵になるでしょう。
まず、発売当初は予約でいっぱいになり、納車待ちの期間もかなり長くなることが予想されます。とにかく新型プレリュードは、当ブログにおいても一番読まれている記事ですし、2代目以降のプレリュードを知る熟年世代にとっては、プレリュード復活にただならぬ期待を寄せていますので、販売初期の受注台数は、生産台数を大幅に超えることになると思われます。
この受注台数をどう捌いていくか?ここはホンダの底力が必要になるでしょう。シビックタイプRのように、すぐに受注停止となって、それが延々続くようになってしまっては、プレリュード復活の熱も冷めて、段々受注が萎んでいき、ライバル達も登場を控えるようになる。そうなると、プレリュードもタイプRを登場させるどころではなくなります。
やはり、出足の1~2年の受注台数と生産台数の状況によって、タイプRを登場させるだけの余力があるのか?登場させる意味があるのか?が決まってくるような気がします。
素のプレリュードに飛びつくべきか?タイプR登場まで待つか?
今日の記事では、新型プレリュードにタイプRが設定されるのか?について考察してみました。
巷の、自動車雑誌はかなりタイプR出現について、熱を持って伝えていますが、私はちょっと冷静になって考えた方が良いと考えています。
① 素のプレリュードの売れ行き次第?
② ライバルの出現による市場の活性化があれば
③ タイプRの生産まで含め、生産体制を維持できるか?
この3点が揃わないとタイプR登場の可能性が限りなく低くなるばかりか?新型プレリュード自体の早期販売終了、次期モデル開発中止に繋がってしまう、と考えています。
ですから、もし今秋出る予定のプレリュードのスペックに納得している方であれば、もう足繁くディーラーに通い、受注開始の情報を掴むことに全力を注がれて、まずは素のプレリュードを堪能されることをお勧めしたいと思います。
なぜか?と言うと、やはり今の段階ではタイプR登場の可能性は低いと思わざるを得ませんし、素のプレリュードだって新技術満載で運転の楽しい素晴らしい車だと思うからです。
私もかつて栄華を誇っていたホンダ プレリュードを見てきました。友人の車に乗せてもらい、4WSの運転感覚に驚き、最終モデルの生産終了まで注目してきた車種だけに、今回の復活が一代限りで終わるのではなく、代替わりして続くモデルになっていって欲しいですし、プレリュードから、セリカ、シルビアと、また2ドアスポーツクーペ人気が復活してくれると面白いだろうな、と思っています。
まずは今秋のプレリュード登場を楽しみに、そしてタイプRの登場も含め今後の展開に期待しましょう。